「バイリンガル教育インタビュー」4年生担任

「バイリンガル教育インタビュー」`として、先生方それぞれの視点から日本語教育や家庭でのサポートについてのユニークなお話をお届けします。

第ニ回目は、小学4年生の担任のりか先生からお話を伺いました。

1. 先生ご自身について教えてください

2022年の11月にコロラド州に家族で引っ越してきました。愛知県の豊田市で生まれ育ち、10年間小中学校の教員を務めていました。現在は2人の男の子(5歳、2歳)を育てながら趣味の音楽を楽しんでいます。上の子は4月よりすみれ組入園、音楽はピアノと歌のレッスンに通いながらクラシック、ポップス、ジャズなどの音楽に取り組んでいます♪

 

2.    先生の教育に関するモットーを教えてください。 

「一生懸命」という級訓をクラスにも掲げていますが、遊びも勉強も全力で取り組む!ということを大切にしています。そして楽しむことも忘れずに♪メリハリが大事です。先日もクラスでお楽しみ会を開催しましたが、会を迎えるまでの約2ヶ月間は「日本語で話そう」という目標を立て、クラスみんなで取り組んできました。楽しみがあると、目標に向けての意識も高まりますね。そして何よりポジティブな気持ちで取り組んでいくことが大切だと思います。

3.    生徒が積極的にクラスに参加し、集中できるようにするためには、どのような工夫をされていますか?

授業では「全員参加」を常に心がけています。「〇〇って知ってる?」「〇〇したことがある人?」など、誰もが手を挙げられるような発問を投げかけて全員を同じバスに乗せて授業を出発すること、全員指名で良い緊張感を感じながら授業を進めていくことなど、その時のクラスの雰囲気に応じて、取り組み方を変えるように工夫しています。そして自ら学習へ向かう力を高めるためにも漢字や計算、ドリル学習など一人一人が集中して黙々と学習に向かう時間も、大切にしています。

 

4.    デンバー日本語補習学校の生徒の多くがアメリカ永住者ですが、日本へ帰国を予定している家庭と求める教育レベルにギャップはありますか?またそのギャップを解消するためにどのような工夫をされていますか?

基本的にはクラスの学習レベルを日本の公教育のレベルと同じになるように学習内容の設定をしています。保護者の皆様のご協力のおかげで、それほど大きなギャップは感じていませんが、漢字テスト等は選択式も取り入れてフォローをしています。

また、単元テストも日本の公立学校とほぼ同じレベルの内容のものを使用しているため、週に1回の授業では定着が難しい場合があります。そのため単元テスト実施前にはプレテストに取り組み、学習内容の理解につなげ、自信を持ってテストに取り組めるよう工夫をしています。

 また、デンバー補習校では新たに日本語基礎クラスも開設されたため、苦手な部分を補強することに役立っていると思います。


5.    平日は現地校、週末に日本語補習校に通う子供たちの中には、「学校に来るのは楽しいけれど、宿題が大変」というお子さんが多いですが、保護者、生徒たちに対してどのようなアドバイスがありますか?

補習校では1週間分の宿題が一気に出されるので大変ですよね。もちろん、1日でやり切るのは大変なので計画的に進めていく必要があります。

一般的に1日に【学年の数×10分】は家庭学習の時間が必要と言われますが、いかがでしょうか?

学校から帰った後や休日のルーティンを作って学習の時間をしっかり確保し、時間を守って取り組んでいくということができると良いですね!

計画的に進めて、「今日は宿題お休みの日」を作るのも良い息抜きになったり、ご褒美があると頑張れるお子様もいるかもしれませんね。

今は大変だと思いますが、頑張って身につけたものは必ず将来に生かすことができると思います。日本語を身につけることで、将来の選択肢も大きく広がりますね。デンバー補習校の子ども達には、ぜひ日本と世界を繋ぐ架け橋となって活躍してもらいたいです。期待しています!


6. ご家庭でもバイリンガル教育をされているそうですが、子供たちの日本語教育のために工夫されていることはありますか?

子どもたちは5歳と2歳でまだ小さいので、教育という程のことはまだ行っていませんが、日本の童謡を聴いたり、日本のアニメを見たりして自然な形で日本に興味を持ってもらいたいと思っています。あとはタブレットで日本語のゲームをやったり、ワークシートにも遊び感覚で取り組んでいます。「日本語が嫌だ。」となってしまうのをできるだけ防ぎたいので、自然に楽しく取り組むということを今は心がけています。

りか先生、素敵なお話をありがとうございました!

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